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オランダのサーキュラーエコノミー1

オランダには2023年2月からひと月の間、サーキュラーエコノミー(CE)の実際を体験するために滞在しました。

サーキュラーエコノミーという言葉はこれまでの3R(リデュース、リユース、リサイクル)という活動的な概念よりも、ビジネスモデル的な概念になります。


また、従来の大量生産、大量消費、大量廃棄というリニア型経済(線形・一方通行型)

の社会構造から、資源を循環させるサーキュラー型の経済構造へ転換させるというものです。



日本では言葉自体がまだそんなに流通しておらず手探り状態ですが、私が滞在したオランダはすでに世界最先端の取り組みをしています。首都のアムステルダムは2015年に世界の自治体で初めてCEへの移行の可能性について詳細な調査を行い、2050年までに完全にCEへ移行を目指すと宣言しています。


そんなアムステルダムでいろいろな事例を見てきましたので画像でご紹介したいと思います。




Circl


オランダのメガバンクの一つ「ABN AMRO(エービーエヌ・アムロ)」が造った複合施設です。取り壊しになった建物の廃材を再利用するなどしています。

CIRCLの建築物としての大きな特徴が、「いつか取り壊されることが前提で建築された」ということです。柱と梁をつなぎ留める部分には接着剤は用いられず、すべて取り外し可能な金具で固定され、アルミニウムや金属製の部品も取り外しができるなど、再利用が可能なように設計されていました。




MUD Jeans

『MUD jeans』はジーンズ業界で初めてサブスクリプションモデルを採用しました。

ジーンズを買ってもらうのではなく、一定期間リースした後に回収。その後裁断して繊維に戻し、その繊維を使って、再びジーンズを製造することで、できる限り新しいコットンに頼らないビジネスモデルを確立しています。『MUD jeans』の製品は、顧客の使用後に処分される代わりに自社へ返却され、リサイクルされることが念頭に置かれたデザインが施されているのが特徴です。そのため、前部にはファスナーより長持ちし再利用も可能なボタンが採用されているのです。また、通常背面のラベルには革が使用されることが多いが、その代わりに環境に配慮した特殊塗料でのプリントラベルになっており、取り外しも不要な設計にしています。




NDSM


1984年に閉鎖された造船所跡地を使い、10年ほど前から時間をアーティストやクリエイターたちがアトリエを構えはじめ、今ではスタートアップから大企業(RedBull)までがオフィスを構えるクリエイティブビレッジです。ここには、世界中の芸術家、デザイナー、建築家、エンジニアなどが集まり、多くの先進的な実験やパイロットプロジェクト、インスタレーションが行われています。そしてその多くがサステナビリティーやサーキュラーエコノミーに関連しています。特徴的なのが、NDSM内で毎年4月に行われるテクノフェス『DGTL Festival』になります。


他多くの事例がありますので、また別の機会や弊社が開催するセミナーなどでご紹介したいと思います。CEもいくつかに分類した方が理解が進みますので、それも合わせてお伝えできればと思います。

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