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オランダのサーキュラーエコノミー2


モノを循環させる際、回収したりリサイクルしたりする頻度は少ない方がエネルギーは少なくてすむわけですが、そのためには今使っているモノを修理することで頻度を下げることが可能になります。

オランダをはじめE U諸国では、この「修理」に関しての意識が高く、修理の場を多く設けることはもちろん、修理できるように商品開発の最初の段階でデザインするということが多くみられます。


修理の場というところでいうと、オランダには、持ち込んだものを無料で直してくれる「リペアカフェ」が500軒近く存在します。単に「修理を承ります。」という場所でなく、リペアカフェでは壊れた物をどうやって直せるかを一緒に考えることで、モノを扱う意識が変わっていきます。さらに、リペアカフェを起点にして住民同士にコミュニケーションが生まれ、「共に使い続ける」といったコミュニティが形成されます。また修理のノウハウを持つ高齢者や技術をもつ人たちが貢献できる場が生まれるという好循環が生まれているのです。

リペアカフェ



さらに「ユナイテッドリペアセンター」というデニム専門の修理を請け負ってくれる場所があります。どんなブランドでも修理することが可能です。またスタッフの中には一部難民の人もいて、雇用の機会になっています。

別の視点になりますが、この2つの事例には人への配慮、人権の尊重という部分もみて取れると思います。

ユナイテッドリペアセンター  https://unitedrepaircentre.com


また、広義の修理ということになるかと思いますが、「フェアフォン」というモジュール式のスマートフォンがあります。カメラやディスプレイ、スピーカーなど一部の部品が故障してもスマホそのものを交換せずとも該当の部品のみを交換すれば良いようにデザインされています。サーキュラーエコノミーのデザインと言える事例になります。

フェアフォン



このようにオランダでは「修理」に対する意識が高く、「リペアカフェ」のところで述べたように消費者側も啓発されており、今は「修理する権利」という視点で語られるようになってきています。


モノづくりも修理することを前提としたものに変わりつつあることを気付く事例となりました。

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